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世界は物語で出来ている

time 2019/03/24

世界は物語で出来ている

 「ストーリーテラーであれ!」「ブランドには物語性が大切!」「就活で面接官を説得するには幼少期から続く物語!」

物語。色んな場面でよく聞くフレーズ。スタートアップでも大手でも、マーケ、広報、ブランディングなど業種毎に見ても、はたまた社会を知らない学生の間でも大事にされていることだと感じます。 ではなぜ人は物語を好むのか。そもそも物語って何なのか。これほど大切にされている概念であれば何か裏がありそうです。

  実はホモサピエンスが地球で繁栄できた理由の1つに、物語(フィクション)を共有出来たからという要因があり、それに基づくと物語なしではそもそも共同体を維持できない性質を持っているのではないか、という仮説に至りました。その視点で見ると、全ての事象の土台に物語が潜んでいるように見えて、少し大仰なタイトルを付けました。

今回は物語に関するお話です。

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物語(ストーリー)について

物語が大事にされるケース

 個人的な好みで、ストーリーではなく物語で統一しますが同義です。まず改めてどういうシチュエーションで物語性が重要視されるのかを考えてみます。

まずは普通の会話。何か伝えたいことがあると言われて、その始まりとオチだけ話されても困ってしまいます。プロセスをすっ飛ばして「この前仲のいい友達が色々あって逮捕されたんだー」とか言われても頭の中は「?」ですよね。

もちろん話し方として、結論を先に伝えてからプロセスを話すというのはあり得ますが、ここから分かるのは、結果を伝え、その結果について納得してもらうためにプロセス(物語)が必要ということです。

そもそも物語とはなにか

 では物語とは何か。上記のことも踏まえ僕なりに定義すると、
「個人的な経験や考えを人に伝え、更に共感をしてもらうための手段」と言えそうです。とすると次なる問いは「共感とは?」になりそうですが、その点は記事の最後に触れたいと思います。

 物語性のある話とないもので比べると納得してもらえると思いますが、始点と終点だけ言われるよりも、その間に何があったからこういう結果になったと言われる方が100倍納得しますよね。

例えば、「昨日(始点)友達を殴ったんだ(終点)。」よりも、「昨日(始点)友達に容姿をバカにされたから(プロセス)殴ったんだ(終点)。」の方が、人を殴る是非はともかく理解を示すことは出来ます。

さらっとしてますが、本記事における物語のニュアンスを掴んでもらえるとうれしいです。ここから、物語という要素に軸を置いて歴史を振り返り、その担ってきた役割について考えていきます。

物語に焦点を当てて歴史について考えることの価値

 世界は物語で出来ている。これは地球が~とか物理的な意味ではなく、近代国家や宗教など、世界観という意味で使っています。言い換えると、「現代の世界観を物語という観点から捉え直す」ことを目的に、このパートを書いています。
神話の部分は、文量の問題で非常に簡潔に書きますがご理解ください。

宗教について

 日本にいると「宗教ってうさんくさい」と捉えられがちですが(地下鉄サリンの影響はあると思います)、海外に行ってキリスト教徒やイスラム教徒と話してみると、いわゆる”普通の人たち”だと感じます。

唯一神を信じているから笑いのツボがおかしいとか、よく分からないタイミングでキレ出すとかは特にありません。ときにしつこく勧誘してくる敬虔(けいけん)な信者もいるのでわずらわしく感じますが笑
それを除けばむしろ、現代の日本人の方が不思議な集団だと思われることもあります。

話がそれました。宗教は、安定した共同体を保つことを目的に、~教という物語を語って人に聞かせたと僕は考えていて、この物語を信じ、教示することを実行すれば天国に行けるということを人々に約束し、団結したとも言えます。これは仏教にも似た性質があり、ある時代以降の仏教は現世利益ではなく極楽浄土に行くことを人々に説きました。

キリストから遡って、古代の神話についても似た特徴が見られます。

神話について

 古代神話は何の為に作られたのか。当時地球や太陽の存在など、ありとあらゆることが科学的に解明されていなかった時代、人々はなんとか納得しようと「神」という存在を作り出し、ガイアやウラノス、ゼウスといった人間の力の遥か及ばない偉大なものが今の世界を創ったという物語、ギリシア神話を創出しました。これをホメロスなどの詩人が人々に語って聞かせることで、共同体を保ったと考えられていて、ここにも物語性が現れています。

近代国家について

 本来であれば仏教や道教など、他の概念も紹介したいのですが、本が書けるくらいの情報量になりそうなので、かいつまんでいきます笑

時代は飛んで18~19世紀。フランス革命や独立戦争、産業革命など重大な出来事が盛りだくさんの時代ですが、現在私たちが学ぶ「近代歴史学」はこの頃から始まったとする学説があります。

本題に入る前に、そもそも歴史って何でしょうか?誰に語る資格があるのでしょう?「史実に基づいて」って言うけどそもそも史実ってなに?人の日記や手紙が史実?
この問いに僕は答えを出せていないので、これから書くことは思考プロセスだと思っていただけると助かります。

近代歴史学は、一言で言うと「私たち」を作るための学問だと考えています。その私たちとは何者か。まさに国民国家を形成する主体(国民)です。そもそも私たちはいつから日本人になるのでしょうか。生まれたときから?本当に?

それは地理や血縁的な話であって、生まれてすぐ外国の養子(かなりレアなパターンですが)に出され、その国で育ったら何じんになりますか?終盤の境界線の議論にも繋がりますが、国籍だけを絶対の拠り所にした人種観が通用する時代ではありません。大坂なおみ選手がいい例でしょう。

思うに、戦争体験や震災体験など、物語られる歴史を学んでいくことによって、生まれてから徐々に日本人になっていくのではないか。清少納言が綴ったことを
幼児に語ってもおそらく理解されないけど、国語を通じて歴史を学び、日本人的な価値観を身に付けていくと、なんとなく「わびさび」が分かるようになっていく。

今非常に不安定になっているアメリカや欧州では、自国第一のナショナリズムが台頭し、「私たち」以外を追い出そうとしている。しかし彼・彼女らはそのほとんどが混血。「私たち」という境界線はどのように引かれるのか?
僕はやはり歴史学だと思う。

その証拠ではないけど、歴史=Historyの語源はフランス語の「イストワール」。
そしてこの単語には「歴史」ともう1つの意味がある。それが「物語=Story」

現代における境界線の揺らぎ

【日本とは?日本人とは?】という問いには、比較的容易に答えることがこれまでは出来ました。なぜなら「エスニックを一にする共同体」つまり血で判断できるから。幸か不幸か、島国である日本では、江戸幕府の政治もあって長いこと混血が多くはなかった。

一方EU諸国では、先述のように混血ではない人を探すのが困難なのではないかというくらい多様な人々がいる。それでもイギリスでは経済が低迷し、国民はEUからの離脱を選択した(延期され今後どうなるかは不明。要ウォッチ!)。
移民国家の代表のようなアメリカでさえ、人々はアメリカファーストを掲げるトランプさんを選び、移民排斥運動。

政治ではなく身近な例でも、家族とは何か?組織とは何か?と問いを立てることが出来そうです。境界線を引くということは、【ウチとソト】をつくるということ。ではその境界線はどこにある?

家族とは何か

 まずは家族を例に考えてみます。もし血縁によって定義しようとするなら、夫婦は家族ではなくなる。いきなり結論になりますが、やはり僕はどれだけの物語を共有しているかが、その拠り所になると思います。付き合い始めた瞬間からプロポーズ、妊娠、出産、育児。これら全ての物語を共有しきれないケースももちろんあります。しかしそれでも、時間を共有し、物語を紡いでいくことによって、徐々に家族になっていくのではないかと思います。

付き合うとは何か

 誰かと付き合うというのも、自分の人生という物語に、他者の物語を紡ぎあわせ共有していくことかなと思っています。そしてその相手を「ランダムではなくあなたに限定します」という一種の契約ではないか、そんなことを今は考えています。

組織とは何か

 組織は自然発生的なものではなく、必ず誰か始めた人がいる。その人が語った物語に共感した人が集まり、やがて文化になり歴史になり組織を作っていくのでないでしょうか。だから会社選びのときに、企業理念に賛同できるかは大切なことのようです。

まとめ

 ここまでダラダラと、かなり雑な物語論を書いてきました。主観も混ざり、答えが出せていないことも多々あった中、おしまいまで読んでいただきありがとうございます。

最後にもう1つの問いを立てさせてください。その主体、つまり境界線のウチにいる人は誰がなり得るのか?国家や家族の一員になるのは偶然であり、最初から選ぶことは出来ません。しかし選ぶことが出来る会社のような組織はどうでしょうか?

それこそが、共感するかしないか、ではないかと僕は考えています。人はどういうわけか、他の動物にはない共感力を持ち合わせています(厳密に言うと共感も単なる幻想らしいですが笑)。共感によって共同体を作り、保ち、物語を紡いでいくのが人間だとすると、どの境界線のウチ(組織)に入るかを選ぶ際には、その物語に共感できるかどうかが大切なことなのかも知れません。

人に語って聞かせたい物語はありますか?それはどんなものですか?

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大学4年生。【出来なかったことが出来るようになる。知らなかったことを知る。人生でこれほどワンダフルなことはない。出来ないこと知らないことがある=ノビシロ】をモットーにブログ運営。珈琲/アート/哲学/お散歩/旅/読書/映画鑑賞 [詳細]

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